インフルエンザと鍼灸(2)

インフルエンザの基本情報

項目説明
定義インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性の呼吸器感染症。
原因ウイルスインフルエンザウイルスA型、B型、C型、D型
主な症状発熱、咳、喉の痛み、頭痛、筋肉痛、疲労感など
感染経路飛沫感染や接触感染
予防方法インフルエンザワクチンの接種、手洗い、うがい、人混みを避けるなど
治療方法抗インフルエンザ薬の投与、十分な休息、水分補給

インフルエンザウイルスのA型、B型、C型、D型の違い

特徴A型B型C型D型
宿主人間、鳥、豚など主に人間人間、豚牛(人への感染無)
流行頻度年間を通じて流行が主に冬季に流行比較的まれ人は流行しない
症状重さ重症化しやすい一般的にA型より軽症軽症が多い人影響なし
ワクチン年間のワクチン年間のワクチンワクチンない人のワクチンはない
変異頻度高い低い低い不明
パンデミック高いなしなし人は適用外

インフルエンザの予防接種

対象接種時期接種効果
一般人口秋口(10月〜12月)前後インフルエンザウイルスへの抗体を形成し、感染や重症化を予防
高リスク群同上高齢者、妊婦、基礎疾患を持つ人など、重症化しやすい人への予防効果向上

インフルエンザの治療薬

薬剤名効果使用上の注意
オセルタミビルウイルスの増殖を抑える48時間以内の早期投与が効果的
ザナミビル同上吸入薬なので、呼吸器系の問題がある人は注意が必要
バロキサビルウイルスの新規合成を阻害する一回服用で効果を発揮するため、服用が容易

インフルエンザは、その自体も厳しい症状を引き起こしますが、さらに深刻な合併症を引き起こす可能性もあります。ここでは、インフルエンザから合併しやすい病気について紹介します。

呼吸器系の合併症

  • 肺炎: インフルエンザウイルス自体による原因のほか、細菌感染が原因で二次的に発生する場合があります。特に高齢者、乳幼児、基礎疾患を持つ人にとって重大なリスクとなります。
  • 気管支炎: 気管支の炎症で、咳や呼吸困難を引き起こします。

循環器系の合併症

  • 心筋炎: 心筋の炎症で、胸痛、呼吸困難、不整脈などを引き起こすことがあります。
  • 心膜炎: 心を覆う膜(心膜)の炎症で、心筋炎と同様に胸痛や呼吸困難が見られます。

神経系の合併症

  • 脳炎/脳症: インフルエンザウイルスが脳に影響を及ぼし、意識障害、けいれんなどを引き起こすことがあります。
  • ギラン・バレー症候群: まれですが、インフルエンザ後に自己免疫反応が誤作動を起こし、末梢神経が攻撃されることで発症することがあります。筋力の低下や麻痺などを引き起こします。

その他

  • 副鼻腔炎(サイナス炎): 副鼻腔の炎症で、頭痛や鼻詰まりを引き起こします。
  • 中耳炎: 中耳の炎症で、耳痛や聴覚障害を引き起こすことがあります。

インフルエンザの合併症は、特に免疫力が低下している人、高齢者、幼児、既存の健康問題を持つ人にとって重大なリスクをもたらすことがあります。そのため、インフルエンザの予防接種、手洗い、マスクの使用など、予防策を講じることが重要です。また、インフルエンザに感染した場合は、早期に医療機関を受診し、必要な治療を受けることが、合併症のリスクを低減させる鍵となります。

鍼灸治療

インフルエンザの症状緩和や予防に使われる経穴(ツボ)。これらの経穴を刺激することで、免疫力の向上や症状の緩和を図ることが期待されます。

  1. 風池(ふうち)
    • 位置: 頭の後ろ、髪の生え際の上、首の筋肉が交わる部分のくぼみにある。
    • 効果: 頭痛、鼻づまり、首の痛みの緩和。
  2. 合谷(ごうこく)
    • 位置: 手の甲にあり、親指と人差し指の骨が交わる部分の高いところ。
    • 効果: 全身の気の流れを改善し、風邪の初期症状、頭痛、鼻づまりに効果がある。
  3. 太渓(たいけい)
    • 位置: 足の内側、くるぶしの下のくぼみから指幅1本分上にある。
    • 効果: 咳、喘息の緩和、全身の気の流れを改善。
  4. 百会(ひゃくえ)
    • 位置: 頭の上部、両耳の上端を結んだ線と、頭の中心線が交わるところ。
    • 効果: 全身の気のバランスを整える、ストレス緩和、免疫力向上。
  5. 尺沢(しゃくたく)
    • 位置: 腕の内側、肘のしわに沿って指3本分上にある。
    • 効果: 発熱時の体温調節、咳やのどの痛みの緩和。

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