膝痛症

膝痛症の多くは変形性膝関節症

45歳以降で膝内側が痛む人は、変形性膝関節症が多く、若い人で膝が痛む場合には、その痛む部位によって、靭帯や半月板、関節包の障害が考えられます。長時間走った後、膝外側が痛む人は、ランナー膝(腸脛靭帯炎)、ジャンプを繰り返し行い、膝の上部が痛む人は、ジャンパー膝(膝蓋腱炎)、成長期で膝の下部が痛む人は、オスグット・シュラッター病などの疾患が考えられます。

変形性膝関節症の定義

膝関節は、主に大腿骨と脛骨のからなっています。
2本の骨が接合しているそれぞれ骨の端は関節軟骨という軟らかい組織で覆われており、膝関節中は関節液で満たされています。

年齢を重ねると、関節軟骨が磨耗して動きが悪くなったり、削られた軟骨のかけらによる刺激で、関節包に炎症を引き起こします。これが変形性膝関節症です。
正座時、イスから立ち上がる時、歩く時、階段の昇り降りの時に膝内側が痛くなります。また、これらの症状は、動き始めに痛みが強く出るのが特徴です。

ランナー膝

ランニングなど膝屈伸運動を繰り返し行なう事により太ももの外側の靭帯(腸脛靭帯)が膝関節外側(大腿骨外顆)に接触することにより炎症を起こします。
初期症状は、下り坂だけで感じられた膝の痛みが、次第にどこを走っていても起こるようになり、やがて走る以外の動きでも痛むようになります。

ドイツでは変形性膝関節症に対する鍼治療に関する大規模研究が行われました。

ドイツでは変形性膝関節症に対する鍼治療効果、有効性、安全性を評価する目的で大規模研究が2000年から約5年をかけて約30万人患者に対して行われました。
その研究の結果として、3ヶ月間に平均7~13回の鍼灸治療を受けた患者は鍼灸治療を受けていなかった患者に比べ、有意に痛みが改善していた事が分かりました。研究結果からも分かるように痛みに対しての鍼灸治療は大変有効です。

ワンポイント

膝痛症を予防する為に、特に重要なのは大腿四頭筋(膝の上の筋肉)の筋力強化です。鍛える事によって膝の一部分に体重がかかるのを分散させ、関節軟骨の負担を減らします。同時に膝周辺の血流を改善します。
その他に、肥満を解消する、足にあった靴を選ぶ、膝を冷やさないなどが必要であると考えられています。

簡単な運動として、仰向けに寝た状態で、膝の裏を床に押し付けるように膝をしっかり伸ばし、その状態で3秒間力を入れて維持し(大腿四頭筋に力が入っていることを意識しながら)、その後力を緩めるという動作を5回繰り返す方法があります。
この運動を起床時、寝る前に必ず行って下さい。最低3ヶ月間継続すると効果があらわれます。
(痛みのある時は、痛みが取れてから行って下さい。)
 ぜひ、安心して鍼治療を受けられることをお勧め致します。

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